ソのままの図書館。

管理人のサイト「ソのままの空に」の小説保管所。最近は擬人化小説に浮気気味。

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Another(1-1-1)

Anotherの本編、最初の部分となります。
旧作連載開始当時は、主人公のキャラが定まらなかったためか、
旧作よりすごく冷静な彼を見る事が出来ると思います(笑)

そして、サブキャラの彼をプッシュしたくなるのは何ででしょう(


生い茂る木々と、そこに違和感しか感じられない水色の体。
ヒノアラシは木の実が入った袋を抱えながらおそるおそるそのミズゴロウに近づく。

「だ、大丈夫・・・?」
「・・・・・・。」

返事はない。息をしている様子から、気を失っているだけらしいが。
しかし、その状況はヒノアラシに不安を与える。
大抵の所なら救助隊がまだ活動しているところだが、
この『若草の森』は危険が少ないという理由で救助の難易度は低いとされ、
実際に、救助要請があったとしても、昼頃にはもう解決している事が多い。
それ故、ここに救助隊がいるという可能性はほぼ皆無といって良い状況だった。

そして、

「ん・・・、あ、あれ・・・?」

ヒノアラシがこっそり去ろうとした時にミズゴロウが起きてしまった事が、彼の不安をさらに強くさせた。

「(ど、どどど、どうすればいいのー!!?)」

わたわたと慌てふためくヒノアラシ。
そして、ミズゴロウは目の前の状況全てを把握しきれていない。
困惑した表情のミズゴロウを見て、ヒノアラシはようやく落ち着きを取り戻した。

「え、えっと・・・聞きたい事があって・・・。」
「なななななに?」

ちなみに、彼にとってはこれでも落ち着いている方である。

「・・・なんで、ポケモンが喋れるの?」
「なんで、って・・・キミもミズゴロウだし・・・。」
「え?」

ミズゴロウが自分の体を水辺で確認したと同時に、彼の体が固まった。

「え、え、ええ?;」
「ど、どうしたの?;」
「ボク、人間だったはずなのに・・・」
「“ニンゲン”・・・?」

2人の間に沈黙が流れた。

「ええええええ・・・っと・・・;」
「うーん・・・・・・;」

お互いが混乱し始めたとき、異変が起こった。

―ミシッ・・・

「「!」」

わずかに早く、ミズゴロウのひれがぴくりと動いた。
そして、少し遅れてヒノアラシが辺りを見回したとき―

―ズンッ・・・!!

「うわあぁぁっ!?」
「・・・・・・!!」

大声で叫びながら地面に伏せたヒノアラシとは対照的に、ミズゴロウは地面を強く踏みしめていた。
“ミズゴロウ”としての本能が、地震という異変をサイレンのように彼に伝えていた。
その状態が逆に彼を冷静にさせ、もうひとつ、一般的には小さな異変である事を、
ミズゴロウは直感的に『大きな異変』と読み取った。
人間だった自分自身の変化に戸惑いながらも、その『異変』の起こる場所へと顔を向けた。


「うわあああああぁぁっ!!?」


「!!」

わずかに聞こえたその叫び声を聴き、ミズゴロウは確信した。
そして、揺れが治まってきたのを見計らい、ヒノアラシに声をかけた。

「・・・あっちで崖崩れが起きて、誰かが巻き込まれた!」
「!・・・で、でも・・・」
「ごめん、ついてきてくれない?」
「う、うん・・・・・・名前は?」

真剣な表情のミズゴロウの名前をヒノアラシが聞いたとき、
ミズゴロウが一瞬戸惑ったような表情を見せた後、俯いて静かに答えた。

「・・・覚えてないんだ。」
「え?」
「分からないんだ。 ・・・キミは?」
「え、あっ・・・ボクは、バン。 ヒノアラシのバン。」
「・・・じゃあ、とりあえず『ゴロ』って呼んで。」
「う、うん。」
「行こう。」

そう言うと、2人は森の中へと駆けだしていった。




これが、


この後から世間を騒がす事になる救助隊の、初の『救助』となった。




そして・・・

「・・・歯車が、回り・・・出した」

森を望む高台で、リーフィアはそう呟いた。


続く
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  1. 2010/05/07(金) 17:54:05|
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