ソのままの図書館。

管理人のサイト「ソのままの空に」の小説保管所。最近は擬人化小説に浮気気味。

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都会編 第15話「氷雪の霊峰 前編」(後半)



「・・・ゴロの・・・バカ!!」

しばらくの沈黙の後、そう言ってバンがゴロの頬をはたいた。

「・・・ごめん・・・。」
「『ごめん』じゃないよ!!どれだけ不安になったかわかる!!?」

怒るバンに、何も答えられないゴロ。

「よく予想外な行動するけどさ、こっちの気持ちも考えてよ!!」

「・・・・・・わかってるよ。
 でも、せめて、バン達には無事でいて欲しかったんだ・・・。
 例え、それでどうなろうとも・・・。っ!」

またゴロの頬をはたいたバンは、必死に涙をこらえようとしていた。


「なんで・・・なんでさ、そんな無茶するの?
 サンダーの時だってさ、あんなに傷ついてまで、一人で戦って・・・
 命だって、危なかったんだよ・・・?
 ・・・今回だって、同じだよ。
 命が危ないというのに、なんで・・・・・・。」

不安が安心に変わったせいか、

バンはボロボロと泣いて、

アリタは、

・・・いや、アリタも泣きながら、プラを抱きしめていた。


すると、

「・・・アリタ。」

ぽつりと、プラがつぶやいた。

「どうした?」

「さっき、襲われる前・・・サーナイトの・・・幻影が現れたんだ。」

「え・・・それって・・・?」

「『この先に、キュウコンのいる“ひょうせつのれいほう”が見える』って・・・。」

「プラ・・・それ、マジか・・・?」
途端に、アリタの声が明るくなった。

「本当だよ・・・。」
ゴロもそうつぶやいた。

「・・・じゃあ、これで、ゴロとプラの疑いも晴れるってわけだ!!」

「・・・ホントに・・・ここまで来たんだ・・・!!」

バンとアリタが喜び合う一方で、
ゴロとプラは、どこか不安げだった。

「本当に・・・無実なのかな・・・・・・?」
震えるような、小さな声でプラがつぶやく。

「大丈夫だ!!」

「本当に・・・?」

「当然だろ!!」

「・・・。」

 

「・・・プラ・・・ゴロも、そんな不安そうな顔しないで。
 たしかに、自分が疑われているのに、
 いざキュウコンに会いに行くとなったときに、怖いと思わないはずはないよ。
 もし、本当に自分が『サーナイトを見捨てた人間』だったらなんて思うよね・・・。
 でも、そんなことは、ありえないよ。絶対に。」

「・・・なんで、そこまで言い切れるの?」

「なんでって・・・」

その問いかけに、バンが驚くように答えた。

「『なんで』って言われても・・・
 そりゃちょっとさ、前は疑ったりしたこともあったよ。

 でも、今は・・・」



「・・・ホント、どうしてだろう?」



そうつぶやいて、バンが考え込んだ。


しばらくすると、アリタが話を続けた。

「とにかくさ、2人とも、良い奴だし、
 オイラ達がそれぞれ、救助隊をやろうと思った頃に、
 2人と“ちいさなもり”で出会って・・・
 なんていうか・・・なんか、その時からピンと来るものがあったんだ。
 えっと・・・言ってみれば、『波長が合う』みたいな何かがさ。」

「・・・ホント、不思議だよね。
 『根拠もないのに』って思うかもしれないけれど、
 ボク達は、2人のことを信じてるから。
 とにかく、あそこに行けば真実が明らかになるんだ。
 2人とも、頑張ろう!!」

いつの間にか、ゴロとプラはきょとんとしていた。

ボク達はボク達で、そんな2人を見て微笑んだ。

「「・・・うん。」」

その言葉を聞いて、バンとアリタが嬉しそうに
顔を見合わせたのが、自然と感じられた。


「・・・まあ、どちらにしろ、聞く覚悟は出来てるから。」

「・・・ボクも。」

「よし!さっさといくぞ!」

「早くみんなのところへ帰ろう!」

そう言って、バンとアリタが先に駆けだし、
その後ろをゴロとプラがついてきて、
さらにその後をボク達も追いかける。

希望は、もう・・・目の前にあるんだ。



―ひょうせつのれいほう―

今まで以上に寒い所だった。

足がかじかんで、時々足を止める。

聞こえるのは吹雪の音と、みんなの息づかいだけ。

会話がなかったわけではないけれど、

たぶん、寒さのせいだけじゃなくて、

『頂上を目指そう』としか考えられなかったんだと思う。



登れば登るほど、息も荒くなってきて、

同時に、不安も強くなっていった。

それは、ゴロとプラの方が強く感じてるはず。

2人の正体が、ボク達の運命まで変えてしまうかもしれないから。



だから、

みんなが起きる前の、あの行動を考えてしまったのかもしれない。



大丈夫。

ゴロやプラが、そんなことをするはずはないから。



第16話へ続く
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  1. 2008/04/13(日) 20:24:53|
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