ソのままの図書館。

管理人のサイト「ソのままの空に」の小説保管所。最近は擬人化小説に浮気気味。

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都会編 第12話「逃亡」(前半)

旧第57話~第59話までが前半、後の旧第63話までが後半です。
「ぐんじょうのどうくつ」は風景の描写がしやすかった覚えがあります。
・・・長いでこぼこ道。

ところどころで、地面が裂けていた。

遠くの山は、炎で赤く染まっている。

それをリルから聞きながら、ボクはみんなの後をついていった。


悲しかった。

ここが、ボク達が住んでいた大陸だと思うと。

同じような光景は、「見た」ことはある。

でも、もう「見えない」。

ボクの目に、もう光は届いていない。

それは、「見たくないもの」を「見なくて」済むと考えれば、

それでもいいことなのかもしれない。


でも、

みんなの笑顔も、涙も、

「見られなく」なってしまった。


世界を、この目でもう一度「見たい」。


それが無理だとしても、


せめて、


・・・せめて、


エーフィとして、世界を「見たい」。


何かわかるはず。

そう信じて。

 

数日後、

ボク達は洞窟の前にいた。



―ぐんじょうのどうくつ―

「・・・寒い・・・。」

洞窟の奥から吹いてくる風は、とても冷たかった。

湿っていて、太陽の届かない冷えた地面を踏みしめながら、

一歩一歩、ボク達は足を進めていた。

リルの後ろについていきながら、ボクは辺りの音を聞いていた。

ズバットの声と、羽ばたく音。

ツチニンが地面から顔を出して、こちらの様子をうかがっている。

時々襲ってくるポケモン達を、みんなで協力して追い払う。

・・・でも、寒さのせいか、みんなは黙ったまま。

いつしか、ボクも黙り込んでいた。



しばらくすると、遠くから声が聞こえてきた。

ずっと前の方・・・少し入り組んだ道かな・・・。

これだけわかるのも、目が見えなくなってから鍛えた耳のおかげ。

たいてい、ここまでわかる人はいない。

イーブイとしても、出来る限り不自由の無いように、

何度も、何度も鍛えた。



誰にも迷惑をかけたくなかったから。

自分が出来ていたことが出来なくなって、

誰かに迷惑をかけるわけにはいかなかったから。




「・・・ねえ、向こう行ってみない?」
「そうダネ・・・気になるし。」
ゴロとプラの話し声がきっかけで、
リルやボクも、ついでにアリタも賛成した。


少し後になって、あわててバンが追いかけてきたけど。


ボクの耳やゴロの頭のヒレを頼りに進んでいく。

バンが追いついた頃には、結構うるさく感じるようになっていた。



・・・で。

グレイシア以外が縦一列になって積み重なる。

グレイシアは耳をふさいでいるけど、

正直、ボクも耳をふさぎたい。


まあ、きのみの取り合いとは言っても、

いくら何でもここまで大げんかはしないよ・・・。

そんなことを思っていたら、見事に見つかっちゃったんだけど。



そこで出会ったニドリーノとニドリーナは、とても優しくて、

他の救助隊から追われているボク達に、外に出る近道を教えてくれた。

何も知らないせいなのかもしれない。

あの時、ソードの言っていた不安が、

少しずつ、本当のことになりそうだというのに、

その原因かもしれないゴロやプラを、

怖がるどころか、むしろ励ましてくれた。

・・・そういう人が、都会にもたくさんいればいいのに・・・。

 

後半へ続く
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  1. 2008/04/11(金) 22:37:49|
  2. 都会編
  3. | コメント:0
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